古事記を読む(60)上つ巻-大国主神
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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
根之堅洲国
妻の須勢理毘売は、夫の大穴牟遅神が焼け死んだと思い、父の須佐之男命とともに、葬式の道具を持って、泣きながら野原にやって来ました。
須佐之男命は、
大穴牟遅神がすでに死んだものだと思って、焼けた野原に出ました。
すると、大穴牟遅神が矢を持って須佐之男命に差し出したので、須佐之男命は、大穴牟遅神を家に連れて行き、八田間大室に招き入れて、自分の頭の虱を取らせました。
大穴牟遅神が
虱を取ろうとその頭を見ると
蜈蚣がたくさん居ました。
すると、妻の須勢理毘売は、椋の木の実と赤土を夫の大穴牟遅神に授けました。
大穴牟遅神は、その
椋の木の実を噛み砕き、赤土を口に含んで吐き出すと、
須佐之男命は、
大穴牟遅神が
蜈蚣を噛み砕いて吐き出しているものだと思い、「可愛い奴だ」とお眠りになりました。
八田間大室:柱の間が8つの田んぼの大きさという意味ですが、この「8」は、例によって、数が多いという意味であり、実際に「柱の間が8つの田んぼ」あるのではなく、それくらい大きな部屋だという例えです。
椋の木の実:

なんとも気持ちの悪い話ですが、もちろん、これも須佐之男命による嫌がらせ又は試練ですが、大穴牟遅神は、この試練も妻の須勢理毘売の機転で乗り切ります。
そして、この記述から、須佐之男命がとてつもない大男であるということが分かります。
すやすやと眠ってしまった須佐之男命に大穴牟遅神がついに反撃を始めます。
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