古事記を読む(77)上つ巻-国譲り
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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
天菩比神と天若日子
天照大御神は、
「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国(日本)は、我が子である正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(以降、天之忍穂耳命)が統治すべき国である」
と仰せになり、
天之忍穂耳命を地上に
降らせました。
天之忍穂耳命は、
天の浮橋にお立ちになり、
「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国は、ひどく騒がしい」
と仰せになり、天上に再び戻り、天照大御神にそのことを申し上げました。
正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命:須佐之男命と天照大御神の誓約の際に成った神。天皇家の先祖にあたる。
参考:古事記を読む(26)上つ巻-天照大御神と須佐之男命
天の浮橋:伊邪那岐神と伊邪那美神が、天の沼矛で日本列島を作る際に立った橋です。
参考:古事記を読む(3)上つ巻-伊邪那岐神と伊邪那美神
ひどく騒がしい:「荒れている」とも「賑やか」とも解釈でき、要は、良いとも悪いとも言っていない抽象的な表現。
いよいよ「国譲り」に入りました。
この「国譲り」は、天照大御神の略奪ととられ兼ねないものです。
大国主神の国作りは、とても
大国主神一人で成し遂げられたものではなく、
天照大御神が統治する
高天原の神々の力も多大に借りることになりました。
大国主神のダメダメっぷりは、もしかしたら、この「国譲り」への布石だったのかもしれません。
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