古事記を読む(89)上つ巻-国譲り 2018-06-21 2019-01-07 WRITER 雨野やたしげ 1 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 建御雷神たけみかづちのかみ 建御名方神たけみなかたのかみは、これに恐れをなして引き下がりました。 次は、建御雷神たけみかづちのかみが建御名方神たけみなかたのかみの手を取りにかかり、手を取ると、若い葦あしを握りつぶすように投げ飛ばしました。建御名方神たけみなかたのかみは、恐れて逃げ去りました。 しかし、建御雷神たけみかづちのかみは、建御名方神たけみなかたのかみを追いかけて行き、科野国しなののくに(信濃国:長野県)の州羽すわの海(諏訪湖)に追い詰めて、殺そうとしました。 そのとき、 建御名方神たけみなかたのかみは、 「恐れいりました。わたしをどうか殺さないでください。今後、この諏訪の土地からは出て行きません。我が父の大国主神おおくにぬしのかみの命令に背くこともしません。八重言代主神やえことしろぬしのかみの言葉にも背きません。この葦原中国あしはらのなかつくには、天つ神あまつかみの御子の仰せの通り献上いたします」 と言いました。 建御名方神たけみなかたのかみは、出雲から長野県まで逃げてそのまま諏訪すわの地で、妻も娶めとり諏訪大社すわたいしゃに祀られるようになりました。 古事記では、建御雷神たけみかづちのかみの引き立て役になった建御名方神たけみなかたのかみですが、多くの武将から信仰を集めました。 いよいよ国譲りの交渉が成立しました。 この「国譲り」は、あくまで平和的に出雲が大和に国を譲ったから美談とされていると個人的に思っています。しかし、何故古事記では、このような一見、武力制圧ととられ兼ねない書き方をしたのだろう・・・ 平和裏には進んだが、多少の衝突はあったということなのかもしれません。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 日本勝利!!個人的記憶だけに頼った、内容極薄ワールドカップ話 次の記事 -Next- 古事記を読む(90)上つ巻-国譲り 関連記事 - Related Posts - 古事記を読む(30)上つ巻-天照大御神と須佐之男命 古事記を読む(53)上つ巻-大国主神 古事記を読む(208)中つ巻-第15代・応神天皇 古事記を読む(249)下つ巻-第21代・雄略天皇 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)