古事記と教育
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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。
日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。
古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」
古事記は現存する我が国最古の歴史文学書です。
壬申の乱に勝利して即位した天武天皇の命によって編纂されました。
古事記と日本書紀は、共通する内容が多く、
国内向けに万葉文字で書かれた「古事記」は712年に、
海外向けに漢文で書かれた「日本書紀」は720年に完成します。
その頃の日本では、様々な氏族がそれぞれの神話を持ち伝承しており、それらをまとめて国内の意識を統一することが国家を治めていくのに必要であると天武天皇は考えました。
このとき、様々に語り継がれてきた話をきちんと文字として、残すことが行われました。
記憶の大天才稗田阿礼の話をこれまた大天才太安万侶が文字として書き起こし記録しました。
太安万侶は、当初、架空の人物ではないかという説があり、古事記自体も近代に書かれた偽書であるといった説もありましたが、昭和54年に奈良県で
太安万侶のお墓が発見され、実在した人物であることが証明されてからは、古事記自体の近代に書かれた偽書という説もなくなりました。
古事記を読んでいて思うことは、神々といえども万能ではなく、たくさん悩み、失敗し、実に人間くさい存在であるということです。
天孫降臨などのファンタジーから神武天皇へ、その後現代の皇室へと脈々と2000年以上続いて行くのです。
古事記が現存する我が国最古の歴史文学書なら、日本は、2000年以上続く現存する世界最古の国家です。
これは、紛れもない事実であり、これは日本人がもっと誇りを持つべきことだと思います。
中国やエジプトなどもっと古い時代に王朝はありましたが、現在は存在していません。
社会の授業で、中国の呼び方がしょっちゅう変わったことを思い出してください。
あれは、王朝が違い、ときには、民族も違うのであり、現在の中華人民共和国は、1949年に建国された国です。
「2000年以上続く現存する世界最古の国家」この誇りを教育の現場では教えません。
わたしも学校で習った記憶がありません。
過去の過ちの反省ばかりではなく、それとともに日本の神話やこうした子どもたちが自国に誇りを持てる教育が学校で教えられるようになることを切に願ってやみません。
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古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」