伊勢物語-第六十八段 住吉の浜 2021-01-04 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) むかし、男、和泉の国へいきけり。 住吉の郡、住吉の里、住吉の浜をゆくに、いとおもしろければ、おりゐつつゆく。 ある人、「住吉の浜とよめ」といふ。 和歌(125) 雁鳴きて菊の花さく秋はあれど春の海辺にすみよしの浜 とよめりければ、みな人々よまずなりにけり。 (現代訳) 昔、男が和泉の国へ行った。 住吉の郡、住吉の里、住吉の浜を行くと、たいそう景色が心地よいので、馬から降りて腰をおろして景色を眺めながら旅した。 ある人が「『住吉の浜』を入れて歌を詠め」という。 和歌(125) 雁が鳴いて菊の花が咲く秋の住吉も褒められるだけのことはあるが、春のこの住吉の浜は、景色はもちろんのこと、住みよい場所だ。 と詠んだので、ほかの人々は感銘を受けて詠まなくなってしまった。 和泉の国 今の大阪府南西部 第六十六段、第六十七段、第六十八段と続く摂津から和泉国、河内、伊勢までの旅で、秀歌とともに各地の素晴らしい景色を紹介している。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第六十七段 花の林 次の記事 -Next- 伊勢物語-第六十九段 狩の使 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第十六段 紀の有常 伊勢物語-第五十八段 荒れたる宿 伊勢物語-第四十三段 名のみ立つ 伊勢物語-第九十四段 紅葉も花も 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)