古事記を読む(98)上つ巻-天孫降臨

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

天降り

邇邇芸命ににぎのみことは、

「ここは、韓国からくに(朝鮮半島)と向かい合っていて、笠沙の御崎かささのみさきに真っ直ぐに通っていて、朝日がしっかりと射し、夕日が照る国であり、とても良い土地だ」

と仰せになりました。

そして、地底深くの岩盤に太い柱を立て、空にそびえるほどに千木ちぎを立てて、壮大な宮殿を建ててお住みになりました。

邇邇芸命ににぎのみことは、天宇受売命あめのうずめのみことに、

「わたしの前に立って仕えて、先導をした猿田毘古大神さるたひこのおおかみは、名前と正体を尋ねたあなたが送ってあげなさい。またその神の名を名乗って、自分の名として仕えなさい」

と仰せになりました。

これによって、猿女君さるめのきみは、猿田毘古さるたひこという男神おがみの名を受け継いで、猿女君さるめのきみと呼ばれることになりました。

猿田毘古神さるたひこのかみが、阿邪訶あざか(三重県)にいるとき、漁をしてると比良夫貝ひらぶがいに手を挟まれて、海に沈み溺れてしまいました。

海底に沈んだときの名は、底度久御魂そこどくみたまといい、

海水が泡となり上がったときの名は、都夫多都時つぶたつみたまといい、

その海水の泡がはじけたときの名は、阿和佐久御魂あわさくみたまといいます。

いきなり韓国からくに(朝鮮半島)との場所関係に言及しています。

貿易などの交流や軍事的な背景も含んでいると思います。

天宇受売命あめのうずめのみことは、天狗のモデルとされる猿田毘古神さるたひこのかみと夫婦になりましたが、猿田毘古神さるたひこのかみは、貝に手を挟まれ溺れ死ぬという何とも言えぬ最期をとげてしまいます。

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