伊勢物語-第二十八段 あふごかたみ 2020-05-01 2020-07-07 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) むかし、色好みなりける女、いでていにければ、 和歌(61) などてかくあふごかたみになりにけむ水もらさじとむすびしものを (現代訳) 昔、色恋沙汰が好きであった女が、男の家を出て行ってしまったので、次の歌を男が詠んだ。 和歌(61) どうしてこのように逢う時間をとることができなくなってしまったのであろう。 水が漏れる隙間さえないような仲でいようと固く約束をしたというのに。 和歌(61) 「あふごかたみ」の「かたみ」は、「難かたみ」と「筐かたみ(竹で編んだかご)」を掛けている。 「むすびし」は、約束を「むすぶ」と「掬むすぶ(水をすくう)」を掛けている。 全体として、非常に短い段ですが、色恋が好きな気の多い女が、男を捨てて他の男のもとに行ってしまったことを男が嘆いている。悲しい。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第二十七段 たらひの影 次の記事 -Next- 伊勢物語-第二十九段 花の賀 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第百二段 世のうきこと 伊勢物語-第六十五段 在原なりける男 伊勢物語-第一段 初冠 伊勢物語-第百一段 あやしき藤の花 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)