伊勢物語-第五十二段 飾り粽 2020-07-17 WRITER 雨野やたしげ この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 (原文) むかし、男ありけり。 人のもとよりかざり粽ちまきおこせたりける返りごとに、 和歌(98) あやめ刈り君は沼にぞまどひける我は野にいでて狩るぞわびしき とて、雉きじをなむやりける。 (現代訳) 昔、男がいた。 ある人から飾り粽ちまきが贈られてきた返事に、 和歌(98) 沼に行き、あなたはあやめを刈り取って苦労なされたのですね。 同じ頃、わたしは野に出て狩りをして、つらいものでした。 と歌を詠んで、獲物の雉きじを贈ったのであった。 粽ちまき 粽ちまきは、あやめに包んで贈られていたことから、和歌(98)で「沼であやめを刈り取った」ことへの労をねぎらっている。 「あやめ刈る」と「野にいでて狩る」、 「沼」と「野」、 「君」と「我」、 「まどふ」と「わびし」、 を対比させて詠んでいる。 この記事を書いている人 - WRITER - 雨野やたしげ フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」 前の記事 -Prev- 伊勢物語-第五十一段 菊 次の記事 -Next- 伊勢物語-第五十三段 あひがたき女 関連記事 - Related Posts - 伊勢物語-第五十段 鳥の子 伊勢物語-第十五段 しのぶ山 伊勢物語-第六十四段 玉すだれ 伊勢物語-第二十一段 おのが世々 最新記事 - New Posts - 伊勢物語 あとがき 伊勢物語-第十八段 あきの夜も(伝 為氏本) 伊勢物語-第十七段 夢と知りせば(伝 為氏本) 伊勢物語-第十六段 太刀のをがはの(伝 為氏本)