2019/01/07

古事記を読む(112)上つ巻-日向三代

 




この記事を書いている人 - WRITER -
雨野やたしげ
フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰を強く願う「自分たちの神話を学ばない民族に未来はない」。

海幸彦うみさちひこ山幸彦やまさちひこ

海神は、すべての海の大きな魚から小さな魚まで様々な魚を呼び集めて、

「もしや、釣針を取ったものはいるか」

と問うと、

魚たちは、

「近頃、鯛が喉に骨のようなものが刺さって、ものを食べることができないと悩んでます。そういう訳で、この鯛が取ったということでしょう」

と言いました。

そこで、その鯛の喉を見てみると、釣針が刺さっていました。

その釣針をすぐに外して、洗い清めて、火遠理命ほおりのみことに差し出しました。

そのとき、

綿津見大神わだつみのおおかみは、

「この釣針を、あなたの兄に返すときに、こう言って後手しりえでで返しなさい。
『この釣針は、心が憂鬱になる釣針、心がイライラと狂う釣針、貧しくなる釣針、愚かになる釣針』」

と仰せになりました。

後手しりえで後手しりえでで何かをするというのは、呪いとなります。この場合は、対面してではなく、後ろ向きの状態で釣針を返すということ。

 

この後手しりえでは、後ろ向きに何かをするということに限らず、拍手を手の甲でするなどの行いも後手しりえでと言えます。

裏ピースは、・・・どうだろう笑

まぁ裏ピースは、外国人の方に対して、やらない方が良いのは確かですが、その禁忌きんきの意味合いは、後手しりえでの観念とは恐らく違うでしょうが・・・

いずれにせよ、

貸したものを失くされ、3年も音沙汰無しで、ようやく返しに来たと思ったら、後手しりえでで呪いをかけて返されるという、何とも言えぬ理不尽さ。

確かに、兄の火照命ほでりのみことは、弟が代替物として用意した釣針を頑なに受け取らなかったという、少し意地悪な一面もありますが、呪いを掛けられるほど悪いことをしたとは、思えません。

そして、

釣針が喉に刺さったまま、3年間生きている鯛。

個人的に、突っ込みどころ満載な回でございます。

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雨野やたしげ
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