古事記を読む(117)上つ巻-日向三代

 







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フリーの翻訳者・ライター、編集、校正。 日本の伝統文化である和歌、短歌、古典、古事記、日本文化、少しのプライベート。 古事記の教育現場復帰「未来を担う子ども達に自分たちのアイデンティティである日本神話を」

海幸彦うみさちひこ山幸彦やまさちひこ

その言葉を不思議に思った火遠理命ほおりのみことは、豊玉毘売とよたまひめの出産の姿を覗いてしまいました。

豊玉毘売とよたまひめは、八尋和邇やひろわにになり、這い回って、くねくねらと身をくねらせていたため、火遠理命ほおりのみことは、驚いて、その場を退きました。

豊玉毘売とよたまひめは、火遠理命ほおりのみことに覗かれたことを知ると、とても恥ずかしく思い、御子を生み終えると、
「わたしは、常に、この海の道を通って行き来するつもりでございましたが、わたしの本来の姿を見られてしまい、これはとても恥ずかしいことです」

と言って、海坂を塞いで海神の国へ帰ってしまいました。

このように、この御子は、葺草かやき終える前にお生まれになったことから、天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみことといいます。

八尋和邇やひろわに定説では、この豊玉毘売とよたまひめ和邇わには、さめとされています。一尋ひとひろは約1.5mですが、この八尋やひろの「八」は、例のごとく、大きいものの例えであり、実際に12mあったのかというとそうではありません。

天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみことすごい適当な名前・・・ですが、この天津日高日子波限建鵜葺草葺不合命あまつひこひこなぎさたけうがやふきあえずのみことが初代天皇神武天皇の父親となります。

 

結局、豊玉毘売とよたまひめ火遠理命ほおりのみことは、これ以降会うことはありませんでした。

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